ぱーるの日記

書評を載せると思います。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

良い文章は、「心」からはじまる。―書評【辰濃和男『文章の書き方』】―

www.amazon.co.jp ①とにかくたくさん見て聞いて読め ②読み手の側に立て ひっじょ~に大まかに言えば、辰濃の主張はこの2点です。 姉妹本である『文章のみがき方』も同様の主張です。 --------------------------------------------------------------------…

アタリマエを打ち破れ!―書評【ミシェル・フーコー『監獄の誕生』】―

www.amazon.co.jp 簡単に言えば、「死刑=残酷」「監禁刑=残酷ではない」という図式を打ち破ろうとしたのが、本書です。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「溶か…

「普通の人間」が小説家として書き続けるために ―書評【村上春樹『職業としての小説家』】―

www.amazon.co.jp 本書は、紀伊国屋書店が初版10万部の9割を買い占めたことで話題となりました。ですが、そうしたいわゆる「今売れてます!」で消費される本ではないと思います。 「ごく普通の人間」であっても、「最も重要な日本の現代作家」と評されるほど…

丸山の極点―書評【丸山 眞男「歴史意識の『古層』」】―

www.amazon.co.jp 丸山後期の「古層」論は、3つの部分に分かれています。 1972年「歴史意識」、1976年「倫理意識」、1988年「政治意識」の3つです。 これらにおいて、「歴史意識」の「つぎ」の論理が、「倫理意識」「政治意識」の基礎論理の前提となってい…